B4川端さんの実験結果がOriCiro cell-free cloning systemのアプリケーションノートになりました。

細胞に興味対象の遺伝子を発現させるためにプラスミドを使用します。そのプラスミドを作るためには、古典的には制限酵素やligaseを用いてDNAを切り貼りし、大腸菌を用いてプラスミドを増やして精製する、という流れの実験を行います。

ごく稀に、大腸菌で増やすことが難しい遺伝子があります。大金研で研究対象としている、遺伝性難病ニーマンピック病C型の原因となるNPC1という遺伝子もその一例です。これまで、この遺伝子を含むプラスミドは大腸菌内で不安定で、組換えはかなり大変な作業でした。

2020年になり、立教大学の末次研究室で開発された「大腸菌を使わないクローニング法」がオリシロジェノミクス社からキット化されて販売が開始されました。この方法は、大腸菌内でプラスミドが複製されていく仕組みを試験管内で再構成した実験系で、日本発の新しい技術です。上記のNPC1は「大腸菌内で」増やすのが難しい遺伝子だった訳ですから、この再構成系であれば問題なく増やしたり組換えができるようになる可能性がありました。そのような背景で、NPC1を含むプラスミドの組換えにこのOriCiro cell-free cloning systemを使って試してみました。B4の川端さんが試してくれまして、目的のプラスミドの作成はうまくでき、その結果をアプリケーションノートとして情報共有をしています。

アプリケーションノート「NPC1-ルシフェラーゼ融合タンパク質発現ベクターの構築と増幅」は、下記から読めますので、興味があったらご覧ください。

大金

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