研究内容

フッ素を有する有機物の合成を基に、新しい材料を提供してきます。

フッ素は全元素中最大のvan der Waals力、小さな原子半径、炭素と強い結合を形成するなどの特徴を持つユニークな元素です。この性質からフッ素を含む有機化合物は、酵素に取り込まれやすいミミック効果、脂溶性、代謝安定性をもつことから農薬品として、さらに高い撥水・撥油性、低誘電性、耐熱性などから機能性材料として広く利用され、私たちの生活に欠かすことのできない化合物です。しかしながら含フッ素有機化合物は、天然にはトリフロロ酢酸などの数種類しか存在せず、人間の手によって合成しなければ入手することのできない化合物です。さらに、フッ素特有の性質からその合成は一般の有機合成手法がそのまま適用できるとは限らず、含フッ素有機化合物の合成法の開発は急務となっています。

当研究室ではこのように有用なフッ素を含む有機化合物の合成法の開発とその利用についての研究を行っています。特にSDG’sに則り、LEDによる光反応を利用し、重金属を用いない環境適応型のフルオロアルキル化反応を得意とし、様々なフルオロアルキル基を有する低分子、高分子化合物の合成法の開発を行っています。