水域生態系の「生物多様性理解」と「環境保全」を目指して

 水域生態系を支えている一次生産者に注目して、種・種内個体群・個体群内個体における遺伝的特性や生理・生態学的特性の理解、環境適応に関する分子進化の解明など、水域に生育する「植物」の多様性や環境適応について研究しています。

 また、絶滅危惧種の保全生態学、藻場の再生・造成、海洋植物の遺伝子健康診断、有用種・有用株のスクリーニングとDNA鑑定、遊離アミノ酸に関する呈味性解析、EPAなど不飽和脂肪酸と生育環境・種との関係性など、水域生態系の環境保全と有効利用に関する応用研究にもチャレンジしています。

 今後の地球環境と人のより良い生活のために、水域生態系を支える一次生産者の果たす役割は非常に大きく、当研究室で得られた新知見は、かけがえのない地球環境や豊かな自然と共存するための大切な財産となり、より良い社会を願う想いとともに将来へつなぎます。 

ラボ・ポリシー

 みんなも知りたい生物の不思議を、社会や自然環境に貢献できる世界初の知見を、教員とラボメンバーみんなと一緒に、粘り強く探求・解明・発見・発信していきたいと考えているラボです。

 

 学生本人がリーダーシップを取り、ラボ内〜学外の研究者と協力しあうことで研究活動を促進し、リーダーとしての困難や問題解決の達成感を体験することで、リーダーの資質・頑張る力を育みます。

 

 それぞれの思い描くキャリアプランを実現させるために、教員やラボメンバーとの近い距離感を大切に、安心・安定した環境の下、世界で戦える「強さ」だけでなく、「優しさ」「調和」「バランス感覚」など、様々な能力を開花させていきたいと考えています。

 

 卒業してから始まる厳しい航海が順風満帆にいくように、困難に直面したときに周りの協力を得てその壁を乗り越えられるように、問題解決能力・協調性・人間性を磨きあげ、社会で活躍するための基盤を構築します。

当研究室でおこなわれている研究課題

材料

海産被子植物 海産大型藻類 淡水大型藻類 海岸植物

 

分野

環境適応分子進化学 保全生態学 系統地理学 生理生態学 植物系統学 海洋生化学

 

科研費等、主要外部資金研究課題

  • 2022年度 笹川科学研究助成「藻トゲモクの生態的「強さ」の謎に挑む -岩礁域に同所的に生育するトゲモクとオオバモクの網羅的比較」(2022)
  • 令和4年度 植物研究助成「海中林保全手法の開発 -地域内ゲノミック選抜の有効性検証-」(2022)
  • 2021年度 未来のみなとづくり研究助成「海中林を構成する海藻類の遺伝子健康診断 -日本各地個体群の高温耐性能-」(2021)
  • 2021年度 笹川科学研究助成「浅場から深場に幅広く生育する大型褐藻類アントクメの局所適応の解明とそれを応用した新しい保全方法の確立」(2021)
  • 2020年度 未来のみなとづくり研究助成「海中林を構成する海藻類の遺伝子健康診断 -高温耐性遺伝子の単離-」(2020)
  • 2020年度 特別研究員-PD(秋田晋吾)遺伝的多様性が藻場の維持に与える影響の解明(2020-2022)
  • 科学研究費補助金(若手研究)、「藻食性魚類の食害に対するホンダワラ類の耐性:生殖器床の再生能力の解明」(2020-2022)
  • 2019年度 エスペック地球環境研究・技術基金「海中林の保全・再生手法の開発 -忌避物質と高温耐性に注目して-」(2019)
  • 2019年度 未来のみなとづくり研究助成「海中林を構成する海藻類の遺伝子健康診断 -遺伝的多様性・近交度調査-」(2019)
  • 科学研究費補助金(基盤研究B)、「環境変化に対するストレス応答と生産量予測から探る海の森の成立と衰退,将来予測」、  (2016-2018)
  • 植物研究助成 「伊豆半島における海洋植物の多様性調査」(2015-2018)
  • 科学研究費補助金(基盤研究C)、「日本近海に広域分布する海藻類の多種系アプローチによる比較系統地理学的解析」 (2014-2017)
  • 藤原ナチュラルヒストリー振興財団 第22回学術研究助成申請書[植物学]「緑藻アオサ・アオノリ類における種分類の再構築」(2014)
  • 平成23年度募集第1期CREST 「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」 「藻類完全利用のための生物工学技術の集約」研究代表者:植田充美(京大)(2011-2016)
  • とうきゅう環境財団 調査・試験研究助成 「多摩川における絶滅危惧I類アサクサノリの生育特性、繁殖特性および保全対策について」(2011-2012)
  • 平成23年度 イノベーションシステム整備事業、「愛南町海域ブランド化ヒジキの作出」研究代表者:松原孝博(愛媛大) (2011)
  • 平成23年度 共同研究用経費 「植物の環境応答に関する調節機構と進化プロセスの解明」(2011)
  • 科学研究費補助金(基盤研究C)、「環境変動が温耐性海藻分布南限群落の群落形成に及ぼす影響」  (2010-2013) 
  • 科学研究費補助金(基盤研究C)、「緑藻アオサ・アオノリ類の種分類と種分化に寄与した環境適応分子進化に関する解析」  (2010-2013)
  • 平成21年度 クリタ水・環境科学振興財団研究助成「絶滅危惧海洋植物カサノリ属藻類の保全と水環境の評価」(2009)
  • 平成21年度 日揮・実吉研究助成金「緑藻カサノリの保全にむけた生態学的研究」(2009)
  • 平成19年度北海道大学重点配分経費(プロジェクト経費)「若手研究者の研究支援」、海洋植物の環境適応に関する遺伝子進化の解明~淡水へ,深所へ,そして南極へ~(2007)
  • 財団法人ソルト・サイエンス研究財団 平成19年度研究助成、海藻類の耐塩性メカニズムの解明~緑藻アオサ属藻類の耐塩性遺伝子群の探索を通して~(2007)
  • ノーステック財団「研究開発助成事業」研究開発シーズ育成補助金、排ガスCO2を利用した海藻類のバイオプラントの実施に向けて(2005)
  • 科学研究費補助金(若手研究A)、河川アオノリの分子生物地理学的研究および低塩分耐性と形態形成に関する解析 (2005-2007)
  • 科学研究費補助金(基盤研究C)、熱帯・亜熱帯産紅藻ムカデノリ科の系統分類学的研究 (2004-2006)  
  • 農水省民間結集型アグリビジネス創出技術開発、胞子及び発芽体集塊法を活用した高密度海藻陸上養殖システムの開発 (2003-2005)
  • 科学研究費補助金(若手研究B)、緑藻アオサ・アオノリ類の系統分類学的研究と形態・生殖進化の解明 (2003-2004)
  • 昭和聖徳学術研究助成、緑藻イワヅタ属の系統分類学的研究(2002)
  • 文部科学省新世紀重点研究創生プラン(RR2002)、ナショナルバイオリソースプロジェクト「藻類の収集・保存・提供」  (2002-2006)
  • 科学研究費補助金若手研究(B)、緑藻ミル属の系統分類学的研究と形態形成の解明 (2001-2002)

 

研究室所属学生が第一著者の学術論文・学会発表(2013年以降)

  1. Kanako Chimura, Shingo Akita, Takaya Iwasaki, Atsushi J. Nagano, Satoshi Shimada. 2022. Phylogeography of a canopy-forming kelp, Eisenia bicyclis (Laminariales, Phaeophyceae), based on genome-wide sequencing analysis. Phycol. https://doi.org/10.1111/jpy.13233
  2. 瀬戸彩映里,秋田晋吾,横山雄彦,菊地則雄,嶌田智. 2020. 紅藻アマノリ類2種における遊離アミノ酸量と培養塩濃度条件との関係. Algal Resources. 13: 103-106.
  3. 千村佳那子,岩崎貴也,永野惇,秋田晋吾,嶌田智. 2020. ddRAD-seq解析を用いた日本沿岸の紅藻マクサの系統地理的解析. Algal Resources. 13: 117-122.
  4. 大竹佑衣,秋田晋吾,嶌田智. 2020. 異なる地域に生育する褐藻アラメの高温耐性. Algal Resources. 13: 85-90.
  5. Honoka Kobayashi, Yuka Haino, Takaya Iwasaki, Ayumi Tezuka, Atsushi J. Nagano, Satoshi Shimada. 2018. ddRAD-seq based phylogeographic study of Sargassum thunbergii (Phaeophyceae, Heterokonta) around Japanese coast. Marine Environmental Research org/10.1016/j.marenvres.2018.05.021
  6. 堀内はるな,小林穂ノ佳,岩崎貴也,嶌田智. 2017. 日本沿岸における褐藻ヒジキの系統地理学的解析. 藻類 65: 139-148.
  7. Yuka Masakiyo, Atsushi Ogura, Kensuke Ichihara, Kei Yura, Satoshi Shimada. 2016. Candidate key genes for low-salinity adaptation identified by RNA-seq comparison between closely related Ulva species in marine and brackish waters. Algal Resources 9: 61-76.
  8. Kaoru Matsumoto, Satoshi Shimada. 2015. Systematics of green algae resembling Ulva conglobata, with a description of Ulva adhaerens nov. (Ulvales, Ulvophyceae). European Journal of Phycology 50: 100-111.
  9. Kaoru Matsumoto Kensuke Ichihara, Satoshi Shimada. 2014. Taxonomic reinvestigation of Petalonia (Phaeophyceae, Ectocarpales) in southeast of Honshu, Japan, with a description of Petalonia tenuis nov. Phycologia 53: 127-136.
  10. Yuka Masakiyo, Satoshi Shimada. 2014. Species diversity of the genus Ulva (Ulvophyceae, Chlorophyta) in Japanese waters, with special reference to Ulva tepida Masakiyo et S.Shimada sp. nov. Bulletin of the National Museum of Nature and Science, Series B 40: 1-13.
  11. Kaoru Matsumoto, Satoshi Shimada. 2013. Taxonomic reassessment of Chondrus verrucosus (Rhodophyta, Gigartinales), with a description of Chondrus retortus nov. Phycological Research 61: 299-309.
  12. 大西舞,菊地則雄,岩崎貴也,河口莉子,嶌田智. 2013. 絶滅危惧I類に指定されている紅藻アサクサノリの集団遺伝構造. 藻類 61: 84-97.

 

  1. 鶴亀里咲,秋田晋吾,嶌田智「褐藻コンブ目の雌性配偶体の卵形成における至適光環境」第69回日本生態学会(福岡2022)
  2. 千村佳那子,大竹佑衣,秋田晋吾,嶌田智「海中林構成種の保全に向けた基礎研究」第46回日本藻類学会(福井 2022)
  3. 鶴亀里咲,秋田晋吾,嶌田智「褐藻アラメ属およびカジメ属の雌性配偶体の卵形成における至適光環境の共通性」第46回日本藻類学会(福井 2022)
  4. 須賀菜々子,小林哲幸,菊地則雄,嶌田智「紅藻アマノリ類の異なる温度環境における生育特性と脂肪酸に関する解析」第46回日本藻類学会(福井 2022)
  5. 大竹佑衣,秋田晋吾,嶌田智「褐藻アラメの高水温耐性」第46回日本藻類学会(福井 2022)
  6. 竹内日向子,秋田晋吾,嶌田智「館山市坂田地先における褐藻トゲモクの季節的消長」第46回日本藻類学会(福井 2022)
  7. 鶴亀里咲,秋田晋吾,嶌田智「褐藻アラメ属,カジメ属配偶体保存株の成熟誘導」第45回日本藻類学会(東京 2021)
  8. 大竹佑衣,原淑乃,嶌田智「異なる地域に生息する褐藻アラメの温度耐性」第44回日本藻類学会(鹿児島 2020)
  9. 千村佳那子,岩崎貴也,嶌田智「海藻類の系統地理的解析」第44回日本藻類学会(鹿児島 2020)
  10. 須賀菜々子,小林哲幸,菊池則雄,嶌田智「紅藻アマノリ類の不飽和脂肪酸と温度環境適応」第44回日本藻類学会(鹿児島 2020)
  11. 瀬戸彩映里,小林哲幸,菊地則雄,嶌田智「アサクサノリ・スサビノリの多価不飽和脂肪酸と環境適応の関係」第43回日本藻類学会(京都 2019)
  12. 原淑乃,山崎誠和,高橋文雄,吉川伸哉,寺田竜太,嶌田智「海洋植物の遺伝子発現に注目した健全性診断システムの開発」第43回日本藻類学会(京都 2019)
  13. 神谷有紀,菊地則雄,嶌田智「紅藻アマノリ類の環境適応に関する生育特性」第43回日本藻類学会(京都 2019)
  14. 霜山菜都乃,田端重夫,平中晴朗,池川優子,嶌田智「緑藻カサノリの人工栽培の実用化に向けて」(京都 2019)
  15. 吉川祥代,寺田竜太,渡邉裕基,菊地則雄,嶌田智「紅藻アマノリ類の乾燥適応」第43回日本藻類学会(京都 2019)
  16. 瀬戸彩映里,横山雄彦,小林哲幸,南誓子,菊地則雄,嶌田智「多様な環境に適応放散した紅藻アマノリ類の生体分子解析」第42回日本藻類学会(仙台 2018)
  17. 吉川祥代,寺田竜太,渡邉裕基,南誓子,菊地則雄,嶌田智「紅藻アマノリ類の乾燥に関する生育特性比較」第42回日本藻類学会(仙台 2018)
  18. 孫田佳奈,岩崎貴也,嶌田智「褐藻ヒジキの系統地理学的解析と地域個体群の環境適応」第42回日本藻類学会(仙台 2018)
  19. 瀬戸彩映里,後藤裕子,嶌田智「館山近海における海産被子植物アマモに関する解析」日本植物学会第81回野田大会(野田 2017)
  20. 孫田佳奈,岩崎貴也,嶌田智「褐藻ヒジキの系統地理学的解析と生理生態学的解析」第19回日本植物分類学会(京都 2017)
  21. 小林穂ノ佳,岩崎貴也,嶌田智「海藻類の系統地理学的解析」第19回植物分類学会(京都 2017)
  22. 山﨑麻子,伊藤舞花,嶌田智「伊豆半島における海洋植物の多様性調査」第40回日本藻類学会(東京 2016)
  23. 正清友香,市原健介,小倉淳,嶌田智「緑藻アオサ属藻類近縁2種間の異なる塩濃度条件における比較RNA-seq解析」第61回日本生態学会(広島2014)
  24. 阿久津ゆか,内村真之,Gregory N. Nishihara,嶌田智「海産被子植物ウミヒルモ属の生理生態学的研究」第38回日本藻類学会(船橋 2014)
  25. 正清友香,市原健介,小倉淳,嶌田智「緑藻アオサ属藻類近縁2種間の異なる塩濃度条件における比較RNA-seq解析」第13回日本植物分類学会(熊本 2014)
  26. 正清友香,市原健介,小倉淳,嶌田智「緑藻アオサ類における異なる塩環境下での生育特性比較解析」第78回日本植物学会 (川崎 2014)
  27. 榎本葵,若菜勇,綿野泰行,西沢徹,嶌田智「緑藻マリモの保全に向けた生育特性と系統地理学的解析」第78回日本植物学会(川崎 2014)
  28. 正清友香,市原健介,小倉淳,嶌田智「緑藻アオサ類における異なる塩環境下での生育特性比較解析」第78回日本植物学会 (川崎 2014)
  29. 正清友香,市原健介,小倉淳,嶌田智「緑藻アオサ属藻類近縁2種間の異なる塩濃度条件における比較RNA-seq解析」第38回日本藻類学会(船橋 2014)
  30. 河口莉子,菊地則雄,岩崎貴也,嶌田智「近縁種アサクサノリとスサビノリの生育地特定と集団遺伝構造解析」第38回日本藻類学会(船橋 2014)
  31. 松本薫,嶌田智「褐藻セイヨウハバノリ属藻類の分類学的再検討」第37回日本藻類学会(甲府 2013)
  32. 永野萌,岩崎貴也,松下範久,宝月岱造,平岡雅規,嶌田智「近縁なアオサ2種にみられる遺伝子流動」第12回日本植物分類学会(千葉 2013)
  33. 河口莉子,菊池則雄,岩崎貴也,嶌田智「絶滅危惧I類に指定されている紅藻アサクサノリの生育地特定と集団遺伝構造」第77回日本植物学会(札幌 2013)
  34. 榎本葵,寺田隆太,Greg Nishihara,嶌田智「絶滅危惧I類に指定されている緑藻マリモの生育特性」第77回日本植物学会(札幌 2013)

 

研究室所属学生の就職・進学先

アサヒビール(研究職) キリンビール(研究職)
カンロ(研究職) 

グリコ乳業(総合職) P&G(総合職) JT(総合職)
東京証券(総合職) NTT東日本(理系総合職) 
オリエンタルランド(総合職) 劇団四季(総合職) 
NHK(技術職:音響) 日テレ系(総合職)
東京電力(総合職) 東京ガス(理系総合職)
TG情報ネットワーク(総合職) NTTグループ(総合職)
フジ通IT系(SE) 経営コンサル系(総合職)
日本製紙クレシア(総合職)
環境アセス系(総合職)
環境保全NPO 

 

環境省(職員)

 

東大(院進) 京大(院進)

東大(PD) 北海道大(PD)

国立遺伝学研究所(研究員)

 

私立女子中高(教員) 市役所(職員)