この研究室では、研究室所有のコンピュータがもつ計算力と、教員・学生がもつ無限の想像力と根性で、以下のテーマを研究しています。テーマ群は、二つの軸から構成されています。一つの軸は生物学的な疑問を根底にし、既存の手法を用いて謎を解いていくテーマです。既存の手法がうまくいかない場合は、自ら新しい手法を開発する場合もあります。もう一つの軸は、技術的な問題を根底にし、既存の生命情報学手法の抜本的な改良や、新規手法の開発を行うテーマです。実際には、同一のテーマが両方の側面をもつ場合が多いですが、学生たちはいずれかを主軸にしている場合が多いです。どちらを主軸にするかは、各自の好みで決まっていきます。教授は生物学的な疑問を根底にして、必要ならば技術開発もしています。
第1:分子生物学的問題
- 真核生物の転写後RNA修飾機構
- スプライシング
- スプライセオソームによるスプライシングの機構
- イントロンの起源
- ゲノム構造とタンパク質構造の関係
- 選択的スプライシング
- 選択的スプライシング産物の構造
- 選択的スプライシングを受けるエクソンの選別機構
- RNAエディティング
- タンパク質への影響
- RNAエディティング部位の選別機構
- スプライシング
- Deinococcus属がもつ放射線抵抗性(DNA損傷修復)機構の解明
- Thermus thermophilusがもつ熱耐性機構の解明
第2軸:生命情報学の技術開発
- 高精度ホモロジーモデリング法とモデル構造データベースの開発
- 生体高分子間相互作用部位と相互作用構造推定法の開発
- タンパク質ーRNA
- タンパク質ーDNA
- タンパク質ータンパク質
- タンパク質ー低分子リガンド
- RNAの高次構造予測の開発
- DNA修復関連タンパク質のデータベース開発
- タンパク質の構造からタンパク質の機能を推定する方法の開発
上記すべてが同じペースで展開しているわけではなく、しばらく休止になっているテーマもあります。新しいおもしろいテーマに取り組むことも可能です。
ほとんどのテーマは学外の研究者と協力して進めていますので、コミュニケーション力は大切です。特に異分野の方々との研究相談において、相手の言っていることを理解する力と、わからないことが何かを正しく伝える力、自分の研究を異分野の方にちゃんと伝える力が必須です。要するに、自分の価値観・世界観は、他人の価値観・世界観とは、異なっていることを理解し、その理解に立って、いろいろな方に科学のおもしろさを伝える力が必要です。