過去の微分方程式セミナーの情報

2023年度

  • 日   時 :  2023年 7月 26日(水) 14時~15時,15時半~16時半
  • 講 演 者 :  高安 亮紀氏(筑波大学システム情報系)
  • 講演題目:(前半)MATLABによる遅延微分方程式の数値計算
    (後半)遅延微分方程式系の周期解の数値的存在証明
  • 講演要旨: 本講演では、前半に遅延微分方程式を数値計算する方法を数値計算ソフトウェアであるMATLABを用いて概説する。MATLABに実装されている数値求積法や簡単なニュートン法を実装して特性方程式の求解などを実演し、遅延微分方程式の解析に役立つMATLABの使い方を講義する。後半では、MATLABを用いて遅延微分方程式の周期解を数値的に計算し、その数値解の近傍で周期解の存在証明を行う精度保証付き数値計算について説明する。時間が許せば、遅延微分方程式系の星形周期解について数値計算によって得られた予想を示し、精度保証付き数値計算を利用した計算機援用証明についても紹介したい。
  • 日   時:    2024年 2月 13 日(火) 14時~15時
  • 場所・教室: お茶の水女子大学理学部1号館633教室
  • 講 演 者: 友枝 明保氏 (関西大学 総合情報学部)
  • 講演題目: 「自動車交通流の数理モデリングとその周辺」
  • 講演要旨:1950年代に始まったといわれている自動車交通流の数理モデル研究では,今日に至るまでに様々な数理モデルが提案されており,これらの数理モデルは,そのモデリングのアプローチによって,流体力学モデル・追従モデル・セルオートマトンモデルと大きく三つに分類することができる.
    本講演では,(講演者の)交通流研究の背景や動機からはじめて,これまでの主要なモデルをいくつか紹介するとともに,そのモデル間の関係などについても触れる.さらに,時間が許す範囲で,将来の自動車交通(およびその数理モデル研究)に関して,参加者の皆さんと意見交換をしたいと考えている.
  • 日   時:    2024年 2月 13 日(火) 15時半~16時半
  • 場所・教室: お茶の水女子大学理学部1号館633教室
  • 講 演 者: 岡本 和也氏 (早稲田大学大学院 基幹理工学研究科)
  • 講演題目:「交通流を表現するための遅延差分方程式を用いた数理モデルについて」
  • 講演要旨:近年,Rule-184 Fuzzy Cellular Automatonモデル(FCA184)と呼ばれる非線形差分方程式を用いた交通流モデルが提案された.差分方程式を用いたことにより,微分方程式に必要な高度な離散化手法を用いることなく,従来のセルオートマトンモデルよりも多様な表現が可能である.しかし,このモデルは振幅の大きさによって収束先が変わるという交通流モデルとして重要な性質を示していない.そこで,本発表では,FCA184に時間遅れの効果を導入することによって改良した数理モデルについて紹介する.また,その数理モデルに対して,数値計算および分岐解析を行った結果から,改良した数理モデルが交通流で見られるような性質を持つことを示す.

2022年度

  • 日   時:  2022年 7月 22日(金) 14時~15時,15時半~16時半
  • 講 演 者 :   國谷 紀良氏(神戸大学システム情報学研究科)
  • 講演題目:「感染症数理モデルの平衡点の安定性と分岐解析」
  • 講演要旨: 感染症の長期的流行の数理モデルでは,感染症の無い状況を表す平衡点と,感染症が風土病として定着している状況を表す平衡点の2種類が主に考えられる.それらの安定性は流行のダイナミクスに大きな影響を与える.本講演では,力学系理論に基づく各平衡点の安定性解析の手法を紹介する.また,集団の行動変容の影響を考慮したモデルにおいて,再帰的な流行の波を表すと考えられる周期解を伴うホップ分岐が起こる例を紹介する.
  • 日   時:  2023年 2月 14日(火) 14時~15時,15時半~16時半
  • 講 演 者 :   西口 純矢氏(東北大学 高等研究機構材料科学高等研究所)
  • 講演題目:「遅延微分方程式と定数変化法公式」
  • 講演要旨: 前半では,遅延微分方程式の導入の動機づけやその基礎事項について解説する.後半では,遅延微分方程式に対する定数変化法公式について,講演者の最近の研究を踏まえながら解説する.