古川研を目指す人へ

 私の目標は、皆さんに『研究の面白さ』を知ってもらう事! そのためには、自分に興味持てる事に取り組んでもらいたい!

 そこで、古川研では、大学生/院生でも理解できるレベルの物理(直感的にその現象が理解できるもの!)の研究テーマをいくつか提案させて頂き、その中から、学生さん自身に、自分の興味にそった課題を選んでもらうところから研究を開始します。直感物理と言っても取り上げる研究課題は、その成果が、そのまま学術論文にできるレベルのものがほとんどです。

 課題が決まったら、まず、その物理の基礎的なことを勉強してもらいます。もちろん、最初は、慣れない物理用語ばかりで焦ることもありますが段々と慣れて使えるようになります。(それは、先輩たちの様子を見れば理解できます。)そして、自己の研究テーマについて『何が問題で、それをどうやって解決していくか。そのために何から始めなければいけないか』を理解してもらいます。また、できるだけ早い段階から試料作成に挑戦します。(試料作成をしない人もいます。)そして、試料が準備出来次第、その物性を測定していくことになります。そのあとは、『何をどうしたら、どうなって。何がわかって。何がわからなくて。次に必要な情報は何で、それをどうやって手に入れるか。
自身の創意工夫による進展を楽しみながら積極的に研究を進めてもらいます。(もちろん、こちらからもフィードバックを何回もかけます。)

 古川研では、毎週ゼミを行なっています。一回目は、全員が自分の研究内容をパワーポイント等を活用し紹介します。学生さんが5人いれば5テーマ、独立した内容ですので、ここで、他の人の研究テーマを理解し、共通言語を習得しましょう。その後は、各週の学習・研究成果と今後の課題などについて、個々の研究の進捗状況を報告してもらいます。このゼミのいいところは、すべての疑問を解決するまで話し合い、理解するまで粘るところです。時に、一人の発表が数時間に及ぶこともありますが、必要であれば理論式や装置の測定原理に戻ったりしながら、何をどう勉強すればいいかまで、その場で解決するので、結局のところ早道かなと思っています。

 大学院に進学した人の中には、個々の研究成果を、日本物理学会、日本中性子科学会、あるいは種々の国際会議で発表する人もいます。学会発表/準備は、とても大変なことですが『すばらしい経験』になります。応援しますので一緒に頑張りましょう!

 私は、古川研に来る人たちには、根気と丁寧さを求めます。それは、『がんばれば、できる。』を実証したいと思っているからです。毎日、何か1つのことをこつこつがんばれば、その道のプロになれます。その過程から、自分の存在意義を見いだして欲しいと思っています。また、創意工夫して得られた結果を自負して欲しいと思います。『こういう風にやった。だめだった。で、違う方法を考えた。今度は、うまくいった』人生そう言うことを繰り返していくものです。そして、その向上心が生き甲斐を産んでいくのだと思います。そして、それが「研究って、面白い!」につながって行く事を望んでいます。